どんな学校でも、教える講師によって同じレベルの同じコースでも授業の内容・質が大きく変わってきます。De AnzaのESLも例外ではなく、学生の間ではよく「どの先生の授業がよかったか」という話題になります。
学生同士の雑談で集める情報が一番確実ですが、そのほかに私がのぞいていたのが「Rate My Professors」などの口コミサイトです。学校組織とはまったく関係なく非公式で運営されている、講師の評価サイトですね。「Rate My Professors」の場合、講師の名前や学校名で検索すると「授業が5点満点で何点に相当するか」「良い点/悪い点についての短評」など、学生が書き込んだ評価を見ることができます。
もちろん書き込みは主観的かつ匿名なので、全てを鵜呑みはできません。相性もあるので、「口コミ評価は低いけど、自分にとっては良い先生」というケースもあります。よくあるのは授業内容は悪くないのに、一部の学生が「宿題が多くてつらい」「成績のつけ方が厳しすぎる」などの理由で低い点数を付け、全体の評価が下がっているパターン。この手の講師には極端に高い、または極端に低い点数を付ける学生が多く、中間の評価が少ないのが特徴です。
というわけで口コミサイトはあくまで参考程度にしかならないんですが、個人的経験を参照すると「『Rate My Professors』で3.5点以上が付いている講師を選んでおけば無難なレベルの授業が受けられる」くらいのことは言えそうです。ただ、点数で測れない基準で相性の合う講師に当たるかは、運の要素がすごく大きい。
例えば私は一時期、「学生同士ディスカッションさせるばかりで、何も教えてくれない」という評価の講師の授業を取ることになりました。「大変そう、どうしよう……」と思って授業に行ったのですが、いい意味で予想は裏切られ、実際にはすごく自分に合った講師でした。この授業、学期の最初に「扱うテーマの箇条書き」「分析する短編小説や論説のタイトル」「授業で議論するポイント」などの資料を全てWebサイトで公開しているんですね。つまり、「必要なリソースは事前にWebに載せておくから、予習をしてこい」というスタイル。
授業中は英文読解などをするんですが、学生をグループに分けてひたすらテーマについてディスカッションさせます(議論すべきポイントもあらかじめWebで開されています)。議論の内容はその場で手書きのレポートにまとめ、授業の最後に集めてグループごとの理解度を採点。ちなみに講師はディスカッションの最中に順次グループを巡回しているので、質問があったらその都度聞くことができます。
学生が事前公開資料に沿ってきっちり予習をし、疑問点をメモにまとめてくれば、授業中に短時間で有効な議論ができます。講師が巡回してきた時に適切な質問をして、最後に提出するレポートの精度を上げることも簡単です(質問内容についてはこちらの意図を適切に汲んで、非常にクリアに答えてくれる先生だったので)。ところが予習なしだと、議論の内容が発散する一方で時間内にまとまらない、疑問点の整理もできないので講師に質問もできない……となって、ディスカッションは盛り上がらず、レポートのクオリティも下がります(当然、成績も下がる)。
ライティングやプレゼンテーションを学ぶ際も同様で、とにかく事前準備をしないと何も得られずに終わってしまうタイプの授業をする人でした。なので、事前準備大好きかつ取得単位が少なめで時間に余裕がある私とは相性がよかったです。たまたま講師と興味範囲が近く、扱うテーマについてあらかじめ知識を持っていたので楽しんで勉強できた点も大きい。でも学生に負荷がかかるやり方だし、合わない人にはとことん合わなさそう。口コミサイトの評価が下がり調子になることもまあ理解できる授業ではありました。
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